聖光見聞録

ごらんよ空の鳥【聖光見聞録902】

作成者: Shizuoka-Seiko|20/07/28 15:16

12月はイルミネーション点灯式でもクリスマスの集いでも、聖歌「ごらんよ空の鳥」の合唱が披露されました。平易な言葉で綴られた歌詞を、生徒たちの素直な声で聴くと、本当に心の洗われる思いがします。

ごらんよ空の鳥 野の白百合を
撒きもせず紡ぎもせずに 安らかに生きる
こんなに小さな命にでさえ 心をかける父がいる
友よ友よ 今日もたたえて歌おう
すべてのものにしみとおる
天の父のいつくしみを

ごらんよ空の雲 輝く虹を
地に恵みの雨を降らせ あざやかに映える
こんなに苦しい悩みの日にも 希望を注ぐ父がいる
友よ友よ 今日もたたえて歌おう
すべてのものにしみとおる
天の父のいつくしみを

この「空」はみなさんにとって、どんなイメージでしょう。やはり澄みわたる青空でしょうか。
私も以前はそう思っていました。しかし秋から冬にかけての空を見ているうちに、もしかしたら夕焼け空なのかもしれないなとも思うようになりました。

点灯式前の夕方、歌の練習が終わって聖堂から出てくると、何とも言えない色の空が広がっていました。神様は何もない空にもこんなにきれいな色を与えてくれて、私たちを今日も一日無事に過ごさせてくれて、自分で動くことすらできない花にも雨を降らせてくれる。さっきまで聖堂に響いていた生徒たちの歌声を思い出しながら、そんなふうに思ったのです。

数十分前まで上のほうは水色だったはずの空に、いつしか夜のとばりが降りようとしています。藍色をまぜたラベンダー色が、茜色を経てシルエットだけの街並みに沈むまでのグラデーション。こんなにきれいなものに気づかせてくれた歌声に感謝し、胸の中でそっと手を合わせました。
投稿:高校国語科教諭

※写真は職員室から見える、初夏の夕焼けと冬の青空です。