高校3年生は、大学受験のために部活動に一区切りをつけた生徒が多いですが、自身の興味や関心のあるテーマを受験勉強と並行して探究し続けている生徒もいます。
放課後の部活の時にふと日本庭園の方を見ると、たもを片手に何かを探しているある高校3年生が目にとまりました。彼は、関東方面から入学してきた寮生で、本校が立地している静岡市内の小鹿と呼ばれる小高い丘の周辺の自然豊かな環境に興味をもちました。そのような環境の中で、人工芝グラウンドの横にある日本庭園の、小さな池の周辺でどのような生物が生息しているのか地道に調査や研究を続けてきました。
その調査においては、例えばカワバタモロコと呼ばれるコイ科に分類される淡水魚が見つかりました。この淡水魚は、令和2年から国内希少野生動植物に指定されている魚であり、彼自身もこの池の場所で発見したことに大変驚いているようでした。また、ヌマエビやマツモムシ、オニヤンマのヤゴも発見し、身近な場所にはさまざまな生物が豊かに生息していることを知り、合わせて研究を続けていくことの醍醐味を感じているようでもありました。
これから目指す大学という研究生活の舞台でも、本校で培った探究心にもとづく緻密さをさまざまな場面で生かしていってくれるような期待感をもった本校での活動の一コマでした。