茶葉を見てみると鮮やかな緑色の新芽がすくすく育っていて、明らかに冬の茶葉とは異なる。
茶葉に手を伸ばし触れてみると、「柔らかい!」と思わず声が出てしまう。まろやかなお茶の味を思い出す柔らかさ。
茶畑に足を踏み入れた時に、ふかふかのクッションの上を歩いているような踏み心地で癒されていたが、山本さんは、土を手に取り香りを確かめている。
細かい根っこがしっかり分解され野菜に適した土壌になっているようだ。藁を敷き詰めたことが功を奏し、微生物が良き働きをしてくれたおかげだ。
水やりのことばかり気になっていた私だが、山本氏の言葉にハッとさせられた。
「野菜を甘やかしてはいけない」
野菜は地面に根を張り、地中の水分を吸収する力を持っている。水を与えすぎると根腐りする。人間が余計なことをして野菜の持つ本来の力を損なってはならない。肝に銘じておこう。
ふと振り返ってみると、教育の現場でも、良かれと思ってつい手や口を出してしまいがちで、いわゆる「過保護」になっていたかもしれない。
農園に関わることは、教育を見直すことに繋がりそうだ。