聖光見聞録

1.1gの可能性、静岡ホビーショーに参加して【聖光見聞録1143】

作成者: Shizuoka-Seiko|22/06/03 3:01

先日、5/13(金)『静岡ホビーショー』中日(なかび)、小中高生招待日のスタッフとして生徒と参加して参りました。感染症拡大の影響で2年ぶりのことです。中1・中2の生徒全員と、中3・高2の有志達が各企業ブースで社員の皆様のご指導のもと、お客さん=小中高の児童・生徒さんの制作や操縦体験をお手伝いしました。


美術部とその友人達からなる中3・高2の有志9名は、『クリスマスフェスタ2021』での経験を活かし、タミヤ“デコレーションシリーズ”のブースに立ちました。小学生招待の時間帯に、中1(9:00〜13:00)・中2(13:00〜15:00)メンバーのまとめ役兼スタッフとして終日参加しました。他のブースでは、中高生招待の始まった16:00迄参加していました。​


今回”デコレーション”のワークショップは、タミヤさんからのご提案で「白い粘土の星を2つ型抜きし、タミヤのロゴ・マークを作る」というものでした。ロゴ・マークは特別なもの、ずばりそのものの意匠を制作できるのは滅多にない貴重なことです。


計量済みの樹脂粘土をよく練り、離型材を塗った星型に押し当てて隅々まで行き渡らせ、はみ出しを型に寄せ戻して形を整え、ポコンと押し出したものをふたつ、日付入りの台紙に並べてボンドで貼り付けます。パーティション越しに、お客さんである小学生とスタッフ生徒の間を、粘土は何回か行き来し作品としてできあがります。


この星ひとつ分は、タミヤ樹脂粘土1.1gです。小さな球状に用意されていましたが、千客万来、なんと想定のおよそ2倍の800人(来場者の4~5人に1人に相当)近くの小学生が体験してくれて、準備されたものは使い切り、途中から粘土の用意に追われることになりました。賑やかな会場から壁一枚隔てたバックヤードの静けさの中、社員さんと電子秤(はかり)を囲んで1.1gの白い玉をひたすら作ります。私が手伝ったのはほんの短い時間で、体得するにはまだまだ修行が必要ですが、無心に1.1gを追い求めることは、感覚の基本に戻る無垢で奥深い作業でした。

開場から昼過ぎ迄担当した中1生にとって入学後初めての校外イベント、一気に1,300人以上が来場、ずっと忙しく、お昼も随分過ぎてからの交代にもかかわらず、まさに一所懸命、素晴らしい活躍をみせました。小学生の夢中になる姿や喜びの声がエネルギーになったのでしょう。事後何人かに聞いてみると、「大丈夫だった。楽しかった!」「夢中になって取り組んだ」。翌日は教室で「いつになくものすごく静かなようすに驚くばかり。」と担任の先生の言。

午後の来場者数は午前より落ち着きをみせ、中2生のなかには他を見学する余裕があるブースもあり、中1よりお兄さんの貫禄と余裕を見せながら、楽しんで小学生の対応をしていました。デコレーションのブースは続々と満員御礼でした。高2生の「(体験が)自信になったし、友情も深くなった。」という声も。また、各企業の方々から「いろんな創意工夫の意見や取り組みがあった。」とお褒めの言葉を頂き嬉しい限りです。

このような貴重な機会を下さった模型組合ならびに各企業の皆様、ものづくりホビーのまち・静岡に感謝が尽きません。経験は生徒の丈夫な根っことして育ち、これからの成長の糧となることでしょう。

帰りにふと思いました。あの1.1gの一粒は今回は星だった。ハートにも、他のかたちにもなりうる。そしてその小さな一粒の表現には充分うったえるものがある。私の身体の重さは、その○万倍。自身のカラダそのものは粘土のようには変えられないけれど、1.1gのカタチを変えたエネルギーとアクション、可能性は何○○○○倍かあるはず。
これからの時間軸の長い、若い彼らにはさらに!!、と。